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外国人の雇用で活用できる助成金5種!支給額や申請方法をまとめました

外国人の雇用で活用できる助成金について、どのようなものがあるのか知りたい企業の責任者や、人事担当者の方は多いのではないでしょうか。
この記事では助成金とはどのような制度なのか、外国人の雇用に対しても活用できるのかなどを解説し、具体的な助成金の種類をご紹介します。


  • 雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金を含む)
  • トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)
  • キャリアアップ助成金(正社員化コース)
  • 人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)
  • 人材開発支援助成金(特定訓練コース)



各助成金の目的や必要要件、支給額、申請方法などについても解説するので、実際に利用を検討している方はすぐにでも準備をはじめられるでしょう。

外国人の雇用で活用できる助成金

助成金というのは、労働者の就労環境整備やキャリア形成、事業所の新規雇用などに対し、国から金銭面でのサポートが受けられる仕組みです。
外国人を雇用するだけで受け取れる助成金はありませんが、要件を満たしていればどの事業主でも活用できる助成金を5つご紹介します。

また、このサイトに記載のない助成金は外国人雇用に活用できないわけではありません。
ほかに適用できる助成金があるかどうかは、事業所の管轄労務局やハローワークなどへ相談してみましょう。

雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金を含む)

雇用調整助成金とは、事業縮小せざるをえない事業者をサポートする制度です。
具体的な目的や必要要件などをみていきましょう。

なお、令和2年4月1日~令和3年6月30日までは緊急対応期間となっています。
以下、目的・必要要件・支給額・申請方法は執筆時のものであるため、情報は随時更新されます。
期間外の場合は、厚生労働省のこちらのページも確認してみましょう。

助成金の目的

雇用調整助成金は、新型コロナウイルス感染症の影響により、事業縮小せざるをえない事業者へ向けた助成が目的です。
一時休業や従業員維持を図るための費用を負担するために、助成金が支給されます。

必要要件(対象者)

雇用調整助成金を受給できる対象者は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者です。
具体的な必要要件についてみていきましょう。

・雇用調整を行う事業主(やむをえず労働者を休業させるなど)
・直近1ヶ月の事業活動の指標(売上や生産量)が1年前と比較して5%以上落ちている
・雇用保険適用事業主(雇用保険被保険者が1人以上在籍している)

上記の必要要件は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けていることが前提です。
一例として、外出自粛による客数の減少や、営業自粛要請を受けての休業などが挙げられます。
また、緊急対応期間中は雇用保険被保険者ではない労働者も助成対象になります。

支給額

支給額の日額上限は13,500円です。
ただし、判定基礎期間の初日が令和3年4月30日以前であれば、中小・大企業も上限15,000円です。
判定基礎期間とは、休業実績を判定するための1ヶ月単位の期間を指します。

また、助成率は企業規模や労働者解雇の有無などによって異なります。

【基本的な助成率】

中小企業 大企業
助成率 4/5 2/3



【解雇無しで雇用を維持している企業の助成率】

中小企業 大企業
助成率
※判定基礎期間の初日が令和3年5月1日から6月30
9/10 3/4
助成率
※判定基礎期間の初日が令和3年4月30日以前
10/10 3/4

申請方法

まずは休業計画を具体的に立て(期間や日数、休業手当の支払い率など)、労働者と事業主間で休業の協定を書面にて締結します。
計画と協定にもとづいて休業を行います。
その後、協定に沿った休業手当を労働者へ支給し、必要書類をそろえると助成金の支給申請が可能です。

申請に必要な書類は、以下の9種類です。
各書類をそろえて、管轄労務局やハローワークへ提出しましょう。

・雇用調整実施事業所の事業活動の状況に関する申出書(初回申請のみ必要)
・支給要件確認申立書、役員等一覧
・休業、教育訓練実績一覧表
・助成額算定書
・(休業等)支給申請書
・休業協定書
・事業所の規模を確認する書類(初回申請のみ必要)
・労働・休日の実績に関する書類
・休業手当・賃金の実績に関する書類

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)は、求職者と事業者を結びつける制度で、新たな雇用創出が可能です。
具体的な目的や要件、支給額などをみていきましょう。

助成金の目的

トライアル雇用助成金は、安定した就職が困難な求職者を一時的に試行雇用した際、事業者へ助成するための制度です。
事業者・求職者ともに職業適性を見極められるほか、互いの相互理解も深められます。

新規雇用を検討している企業にとって、業務へ適した人材を正式採用しやすい制度といえるでしょう。

必要要件(対象者)

トライアル雇用助成金の対象者(求職者)は、職業紹介日までに以下の要件に該当している人です。

【必須要件】
・安定した職業に就いていない
・1週間あたりの実労働時間が30時間未満
・学校に在籍していない
・トライアル雇用されていない

【いずれか1つでも満たす必要のある要件】
・職業紹介日以前の2年以内に2回以上の離職や転職を繰り返している
・職業紹介日までに離職期間が1年を超える
・妊娠や出産、育児などを理由に、職業紹介日までに安定した職業に就いていない期間が1年を超える
・職業紹介日までにニートやフリーターで55歳未満
・就職支援に特別な配慮が必要な人(生活保護受給者や母子家庭の母、生活困窮者など)

企業側で満たしておかなければならない要件は、以下の3つです。

・ハローワークや紹介事業者などの紹介により雇う
・3ヶ月のトライアル期間を設ける
・1週間あたりの労働時間は通常の労働者と同程度にする

また、新型コロナウイルス感染症の影響で休業期間が発生している場合、以下の要件を満たしていればトライアル期間を変更できます。

・令和2年4月1日~令和3年6月30日にトライアル期間が含まれている
・上記期間中に休業している
・休業により対象者(求職者)の適正が見極められていない
・トライアル期間の変更を対象者と合意している

支給額

トライアル雇用助成金の支給額は、対象者1人あたり月額4万円です。
対象者が母子家庭・父子家庭の親の場合、1人あたり5万円になります。

ただし、対象者が退職・解雇・死亡・正規雇用へ移行などいずれかの理由でトライアル期間終了の場合、期間中の日数に応じて支給額が変わります。
具体的には以下の式で計算された値に対し、支給額が決定されるので、数値をみていきましょう。

A=1ヶ月間の実働日数 / 予定していたトライアル期間

割合 A≧75% 75%>A≧50% 50%>A≧25%ト 25%>A>0% A=0%
支給額 4万円 3万円 2万円 1万円 0円



対象者が母子家庭・父子家庭の親の場合は、以下の支給額です。

割合 A≧75% 75%>A≧50% 50%>A≧25%ト 25%>A>0% A=0%
支給額 5万円 3.75万円 2.5万円 1.25万円 0円

申請方法

トライアル雇用助成金を申請するには、以下2種類の書類を提出する必要があります。

・トライアル雇用実施計画書様式(共通様式第1号、実施様式第1号、実施様式第2号)
・結果報告書兼支給申請書様式(共通要領様式第1号、共通様式第2号)

また、新型コロナウイルス感染症の影響でトライアル期間が変更になる場合は次の書類を提出します。

・新型コロナ特例様式(共通様式特第1号、共通様式特第2号)
※緊急対応期間中の対応なので、時期によっては提出できません。

最新情報はこちらで確認できます。

キャリアアップ助成金(正社員化コース)

ここからはキャリアアップ助成金(正社員化コース)の目的や必要要件、支給額、申請方法について解説します。

助成金の目的

キャリアアップ助成金は、正規雇用労働者のキャリアアップを促進するための制度です。
労働者の正社員化や、処遇改善を図る事業主に対し助成されます。

必要要件(対象者)

キャリアアップ助成金の必要要件(対象者)は、以下のとおりです。

・事業主に雇用される期間が6ヶ月以上の有期雇用労働者、無期雇用労働者
・6ヶ月以上継続して派遣先の事業所や、同一組織内の業務に従事する有期雇用労働者、無期雇用労働者
・事業主が行う有期実習型訓練を修了した有期雇用労働者
・正規雇用労働者として雇い入れた有期雇用労働者ではない
・事業主や関係会社に正規雇用労働者、無期雇用労働者として雇用されたことがない(雇用転換日前日から3年以内)
・事業主や取締役の3親等以内の親族ではない
・就労継続支援A型の利用者ではない
・助成金申請日に離職していない
・支給申請日に、有期雇用労働者・無期雇用労働者への転換が予定されていない
・定年年齢に達するまでの期間が1年以上
・事業所において定年を迎えていない

支給額

支給額は企業規模や雇用転換の内容などにより異なるため、それぞれみていきましょう。

【中小企業】

基本支給額 生産性の向上が認められた場合
有期→正規 57万円 72万円
有期→無期 28.5万円 36万円
無期→正規 28.5万円 36万円



【中小企業以外】

基本支給額 生産性の向上が認められた場合
有期→正規 42.75万円 54万円
有期→無期 21.375万円 27万円
無期→正規 21.375万円 27万円



注意点として、1事業所あたりの申請上限人数は20人までとなっています。

申請方法

キャリアアップ助成金(正社員化コース)を申請するには、計画の作成から支給申請までいくつか準備が必要です。

1.キャリアアップ計画の作成・提出
2.正社員等への転換規定がない場合は就業規則を改定
3.就業規則にもとづいて労働者を正社員等へ転換
4.転換後6ヶ月分の賃金を支払う
5.支給申請

申請後に審査が行われ、支給額が決定されます。
6ヶ月分の賃金を支払う際は、転換前と比較して3%以上の賃金増額を行っておく必要があります。

人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)

人材確保等支援助成金には、外国人労働者向けのコースもあります。 ここでは、外国人労働者就労環境整備助成コースの目的や必要要件、支給額、申請方法について解説します。

助成金の目的

人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)は、外国人労働者向けの就労環境を整備のための制度です。
外国人労働者の場合、言語や文化、労働条件などでトラブルが起きることも少なくありません。

外国人ならではの事情に寄り添った環境を整えられるよう、就労環境整備に取り組む事業者には助成金が支払われます。

必要要件(対象者)

外国人労働者就労環境整備助成コースの主な必要要件は、以下の3つです。

・外国人労働者を雇用している事業主
・認定された就労環境整備計画にもとづいて、外国人労働者へ就労環境整備措置を行っている
・就労環境整備計画を実施後、外国人労働者の離職率が10%以下

就労環境整備措置に関しては、次の必須項目2つと、選択項目1つを実施しなければなりません。

【必須項目】
・雇用労務責任者を選任する
・就業規則等の社内規定を外国人労働者に合わせて多言語化する

【選択項目(3つのうち1つを選択)】
・苦情や相談の受け入れ体制を整備する
・一時帰国のための休暇制度を設ける
・社内マニュアルや標識類を多言語化する

支給額

支給額は、支給対象経費に助成率を乗じた額です。
また、事業の生産性要件(3年度前より生産性が6%上昇)を満たしているかどうかにより異なります。

助成率 上限額
生産性要件を満たしていない 1/2 57万円
生産性要件を満たしている 2/3ト 72万円


支給対象経費とは、以下5つの経費を指します。

・通訳費(外部委託した場合のみ)
・翻訳機器導入費(上限は10万円)
・翻訳料(外部委託した場合のみ)
・弁護士や社会保険労務士への委託料
・社内標識の設置や改修費

申請方法

申請するにはまず、就労環境整備計画を作成し提出する必要があります。
計画期間は3ヶ月以上1年以内です。
計画書は事業所の管轄労務局へ提出します。
その後、就労環境整備措置の導入・実施を行い、計画期間終了から1年経ってから支給申請が可能です。

人材開発支援助成金(特定訓練コース)

ここでは、キャリア形成促進のための人材開発支援助成金(特定訓練コース)という助成制度についてみていきましょう。

助成金の目的

人材開発支援助成金は、事業主が雇用する正社員のキャリア形成を効果的に促すことが目的です。
特定訓練コースは、厚生労働大臣が認めた訓練を10時間以上実施した場合に、賃金の一部が助成されます。

必要要件(対象者)

主な必要要件は、次の3つです。

・OFF-JTにより実施する訓練を受けている
・実訓練時間が10時間以上
・厚生労働大臣の認めた訓練7つのうち、訓練を1つ受けている

【選択可能な訓練7つ】

  1. 職業能力開発促進センターや、職業能力開発大学等の高度職業訓練
  2. 中小企業等経営強化法に認定された、事業分野別経営力向上推進機関で行う訓練
  3. 中小企業大学校で行われる訓練
  4. 厚生労働大臣が指定した専門実践教育訓練や、特定一般教育訓練
  5. ITSSレベル4や3の訓練
  6. 生産性向上人材育成支援センターで行われる訓練
  7. 当該分野で労働生産性向上に必要な専門性や特殊性が認められた訓練

支給額

特定訓練コースの支給額と上限金額は以下のとおりです。

【1人1時間あたりの基本支給額】

OFF-JT(賃金助成) OJT(実施助成) 経費助成
(対象経費に対する助成割合)
中小企業 760円 665円 45%
大企業 380円 380円 30%



【生産性の向上が認められた場合の支給額】

OFF-JT(賃金助成) OJT(実施助成) 経費助成
(対象経費に対する助成割合)
中小企業 960円 840円 60%
大企業 480円 480円 45%



【助成される訓練の上限時間】

OFF-JT OJT 経費助成
中小企業 1,200時間 680時間 ・10時間以上100時間未満:15万円
・100時間以上200時間未満:30万円
・200時間以上:50万円
大企業 1,200時間 680時間 ・10時間以上100時間未満:10万円
・100時間以上200時間未満:20万円
・200時間以上:30万円

申請方法

申請するには、訓練実施計画届、年間職業能力開発計画を管轄労働局やハローワークへ提出します。
それぞれ内容を確認してもらい、問題なければ計画にもとづいて訓練を行います。
計画内容に変更がある場合は、変更届を都度提出しなければなりません。

助成金の支給申請を行うのは、訓練終了日の翌日から2ヶ月以内です。
管轄労働局へ支給申請を行いましょう。
審査をクリアできれば支給されます。

助成金を受け取るための基本要件

各助成金を受け取るために共通している基本要件は、次の3つです。

・雇用保険適用事業所の事業主
・支給申請時の審査へ協力する
・期間内に支給申請を行う

審査へ協力というのは必要書類を整備・保管し、管轄労働局等から求められた際には提出に応じることです。
場合によっては実地調査の受け入れも必要になります。

まとめ

国の定める助成金の種類は豊富で、要件さえ満たしていればどの事業主でも助成の対象です。
今回ご紹介した助成制度を、あらためて一覧でみていきましょう。


・雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金を含む)
・トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)
・キャリアアップ助成金(正社員化コース)
・人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)
・人材開発支援助成金(特定訓練コース)

なかでも人材確保等支援助成金は外国人向けの制度なので、外国人労働者を雇用している事業主にとってはメリットがあります。
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