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在留資格/就労ビザとは?在留資格29種類と就労可能な在留資格を、アルバイト・正社員採用別に徹底解説

2021年05月24日

皆様、身分証明書を提示してくださいと言われた時には、何を提示されていますか?一般的には、免許証、健康保険証、パスポート、マイナンバーカードと答えられる方が多いと思います。犯罪収益移転防止法の関係で、昨今では身分を証明する資料として、金融機関をはじめ様々な場面で「本人確認資料」として提示するものの枠組みが明確になってきました。
仮に先ほど挙げたような資料を持ち合わせなくても、私たち日本人であれば、「戸籍」と制度がしっかりと定められています。自らの身分を証明しようと思えば、近くの市役所で住民票をとり、その住民票に「本籍」が入っていれば、今度はその本籍地の市役所にて「戸籍謄本」を取得したうえで、さらに必要があれば「身分証明書」という書面が交付されるという仕組みとなっています。

在留資格とは

それでは、日本に「戸籍」を持たない方、すなわち「外国籍」の方については、どのように身分を証明するのでしょうか。一般的にパスポートと答えられる方が多いと思います。
しかし、外国籍の方が持っているそのパスポート「真正なもの」なのでしょうか。もしかしたら、パスポートというタイトルの単行本かもしれませんね。そうやって突き詰めていくと本当にわからなくなってしまします。
そこで、海外から日本に入国される方については、原則として「在留カード」を交付され、日本国内での携行義務を負っていただくことによって、その人の身分証としていただいています。この、在留カードが発行される「根拠」となるのが「在留資格」となるのです。
すなわち、「在留資格」とは、「日本国籍を持たない方が、日本で活動するにあたって必要とされる資格」のことを指すのです。
この在留資格の有無が大きく分けたのが、2020年から続いている「コロナウィルス」による問題なのです。2021年現在では、「新規入国」の停止、すなわち、今回の入国目的のためにとった「在留資格」にて初めて日本に入国しようとする方について上陸ができないようになっています。端的に言えば、「在留カード」を持っていない方については、日本に上陸ができないことになっています。このため、もう1年以上もパートナーとあっていない外国籍の方も多くいらっしゃるのです。

それでは、日本における在留資格はいくつあるのでしょうか。
現在では、出入国管理法によると29種類定められています。日本に入国する外国籍の方々は、ほぼ必ずこの29個のどれかに当てはまっているということができます。最も、これらすべてをまんべんなく理解するというのは至難の業です。学生の時の勉強のように、分類して体系化することによって、理解が大きく進むということができます。そこで、在留資格についても、どのような分類ができるのか見てみましょう。

「在留資格」は、①活動に基づく在留資格と、②身分又は地位に基づく在留資格に大別されます。先ほどもお話しした通り、在留資格は基本的に「日本でどのような活動をしたいか」を法務省に申請して、その活動が日本にとってメリットになる場合に付与されるものです。
これを端的に「①活動に基づく在留資格」という言い方をします。
少し古い言い方になりますが、学生さんの本分は勉強ですよね。お金を稼ぐことよりも勉強することが大事なわけです。また、大きな声では言えませんが、日本人の雇用を侵食する(この言い方が適切ではないのですが)ことを避けたいという事情も当局にはあるように思います。とにもかくにも、そのような事情から、①活動目的に主眼をおいた在留資格については、そもそも日本で就労することが想定された在留資格を除き、原則としては就労ができないものとして定められています。
これに対して、例えば、日本で生まれた、日本人と結婚したなど、日本国内での活動よりは、日本という国、または日本人という人との結びつきが強い人についても、日本での在留資格を付与しています。これが「②身分または地位に基づく資格」といえます。

ビザとは?在留資格との違い

では、“ビザ”と在留資格はどのように違うのでしょうか。海外旅行にいかれたことなら、国境を越えるならビザが必要というのは、半ば常識であるところです。日本でもほぼ例外なく、日本に入国するにはビザが必要となります。
ただし、入国手続き等でビザという場合はかなり紛らわしい表現になりますのであえてビザとは言わず“査証”と呼ぶことが多いです。日本の場合は、日本への上陸の許可について、あらかじめ外務省あるいは各国にある日本大使館・総領事館等で発行されるのが“査証”となります。他方、在留資格の取得については、治安維持の関係もあり、法務省の管轄になりますのでここに大きく違いが生じます。そして、日本で活動する場合はこの法務省の許可が必要となるのが原則です。この許可の有無が査証の発行、さらには日本への上陸の可否にも繋がってくるわけです。
ここで、疑問が生まれるかたも多いと思います。日本人が海外に旅行するときは、ノービザでよかったのではないか。あるいは、ヨーロッパに国籍のある外国人は、ビザなしで入国できるのはどうしてなのだろうか。
日本の場合は、90日以内での滞在については、「短期滞在」というカテゴリとして、上記29種類のカテゴリとは別に定められています。そして、この場合は、法務省の許可すなわち在留資格の手続きを経ることなく、直接在外公館にて「査証」申請をすることができます。
その他、先程例にあげた方々、いわゆる条約によって相互の国に入国するときには「ビザ」申請そのものも不要とすることもあります。この点は、詳しくは書く在外公館のホームページをご確認ください。

就労可能な在留資格

それでは、在留資格と就労の関係を、次の表を基により詳しく見てましょう。

就労できる在留資格一覧

在留資格 アルバイト採用 正社員採用 資格外活動許可 労働時間制限 職種制限
留学 正社員雇用するには、在留資格の変更が必要 必要 週28時間まで なし
特定活動
(通称難民ビザ)
家族滞在
ワーキングホリデー
日本人の配偶者等 不要 日本人同様
永住者の配偶者等
定住者
永住者
技術・人文知識・国際業務 許可を受けた職種であればOK
(例:ITエンジニアがエンジニアとしてアルバイトする)
許可を認定を受けた職種でしか就労できない
(例・ITエンジニア、中国料理のシェフなど)
技能
特定技能 × あり
決められた業務範囲しか従事できない
技能実習生

今回のテーマは、就労ができる在留資格がテーマです。ここからは、29種類ある在留資格のうち、雇用主になる皆様が目にするであろう在留資格について、就労ができるのかどうなのかを見分けていきたいと思います。
まず、外国籍の方を雇用しようとする場合は、まず「アルバイトで」ということをお考えになるかと思います。そののち、ステップを踏んでいくことによって、ゆくゆくは「正社員」でもお仕事をとお考えになると思います。

就労制限とは

まず外国籍の方が日本で活動するにおいては、在留資格の目的の範囲内でのみ活動が認められています。これは日本で就労することにおいても同様です。
例えば、「留学」、「インターンシップ」の様に本来の目的が日本国内での「学習」の要素が強い場合には、原則として日本国内での就労が認められていません。したがって、在留カード上に「就労不可」との印字がされております。このとき就労を希望する場合においては、後述する「資格外活動許可」の申請手続きが必要になります。なお、ここでは「報酬」を受ける活動を禁止するということですので、例えば奨学金や滞在にかかる費用については「報酬に当たらない」とされています。
そのほか、「家族滞在」や「ワーキングホリデー」という在留資格は、もともと就労を目的とした在留資格ではなく、例えば就労ビザを持った方のパートナーとしての滞在であったり、休暇を利用して日本の文化を体感するために滞在するなど、そもそも報酬を得て労働をすることが主眼に置かれていない在留資格となりますので、この場合も原則としては就労ができないということになります。

他方、表の中段にある、在留資格4種類、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」、「定住者」、「永住者」について、この四種類については、いわゆる「身分系」の在留資格ですね。これは、大まかにいえば、①日本人と同様に取扱うことを日本の国として認めた方(いわゆる永住者)とその家族、あるいは、②外国籍の方であるけれども家族に日本人がいる場合など、その人の立ち位置によって、日本人と同様の活動が認められる方々を指しています。したがって、アルバイト採用であっても、正社員の採用であっても、在留資格上では日本人と同じように就労ができるものと考えられています。

資格外活動許可とは?

先ほども案内した通り、外国籍の方については、在留資格の目的とされている「活動」をする場合においてのみ、日本に滞在ができます。反対に、その目的としていない活動をすることは禁止されています。しかしながら、外国籍の方についても、日本で生活を継続するにあたっては、当然、当初の在留目的以外の活動が必要になる場合もありますし、ときとして活動資金を稼ぐ必要も出てくるものです。
そこで、出入国管理局では、現に有している在留資格に「属さない」収入を伴う事業を運営する活動または報酬を受ける活動を行おうとする場合については、出入国管理局の許可を経ることによって、本来の在留資格以外の活動を日本国内で実施することができるようになります。このとき取得が必要となる許可が「資格外活動許可」というものです。
この資格外活動については、「個別的」な許可と「包括的」な許可があります。個別的なものとは、雇用主の企業名等が具体的に明記され、その企業のみで勤務ができるものです。こちらに対し、雇用主の企業を指定しない代わりに、就労時間の上限とするなどの制約をつけることもできます。この就労時間の上限は、次の項目でお話しします。

就労時間制限とは?

本来の目的が日本国内での「就労」でない場合においては、就労許可を得ることが必要となります。しかしながら、無制限に仕事ができてしまうとすると、本来の活動目的が形骸化してしまう恐れもあります。そこで、法務省では就労時間の制限をも受けることとしております。これが一般的に言われる「28時間まで」というものであります。

一定範囲内で就労できる在留資格

在留資格の一部には、日本での活動目的が当然に「就労」することを想定されている在留資格まります。今回は、こちらを中心にご案内いたします。
私たちが目にする外国籍の方で、いわゆる「社員」として勤務されている方の多くは、「技術・人文知識・国際業務」という在留資格 いわゆる「技人国」と呼ばれるビザです。
この在留資格は、大学などの高等教育で習得した知識を生かして、日本で活動するためにデザインされたもので、おおよそ理系の学部を出た場合は、技術、文系を出た場合は、人文知識と分けられます。また、国際業務も同じ在留資格とされていますから、非常に適用範囲の広い資格と言えると思います。
高等教育レベルの知識や経験を生かして、日本で活躍する在留資格ですから、その知識を生かせる範囲での業務につくことができるという意味では、いわゆる「ホワイトカラー」に相当する業務につくこと必要があります。また、およそ日本人と同様の収入を得ていることなども、考慮されることがあります。
もちろん、芸術家、デザイナーなど、大学を卒業しなくても、およそ10年以上その分野で活躍している人についても、「技人国」の在留資格が認められる場合もあります。この場合は、いわゆる「学位記」の代わりに、10年間の活動実績を証明する書類(例えば在職証明書、美術の受賞歴に関する書類など)の提出が求められます。
その他、企業内転勤、すなわち一年以上在籍した海外の企業から関連する国内の企業に転勤をするときなどに利用される在留資格などがあります。

まとめ

最後に、ニュースでも話題になる「技能実習」や「特定技能」についても取り上げてみます。
技能実習制度とは「国際貢献のため,開発途上国等の外国人を日本で一定期間(最長5年間)に限り受け入れ,OJTを通じて技能を 移転する制度。」とされています。(引用:外国人技能実習制度について。http://www.moj.go.jp/content/001318235.pdf)。すなわち、日本の有している技術・ノウハウなどを発展途上国などに提供することによって国際貢献を果たすことが目的となりますので、これに見合った形での雇用が必要となるわけです。
特定技能については、同じく技能実習生の時に培ったノウハウをさらに日本国内で生かすことが原則となり、それ以外の場合には、日本語の能力及び、就職する業界での知識力や技術力に関する認定試験に合格することがビザの要件となっています。
いずれにしても人材育成のための滞在が両ビザの目的となりますから、アルバイトとしての登用はできず、さらに業務範囲についても制限がされるということになります。

コロナによる特例措置2021年最新情報

2020年は、コロナウィルスによるパンデミックによって、国内外の移動が制限されました。私が担当したお客様でも、在留資格認定証明書の交付を受け、在外公館でのビザの取得ができたにもかかわらず、入国直前になって上陸制限がかかったため、日本での就労が半年以上遅れてしまったということが生じてしまいました。
同じことは、日本から母国に戻る留学生や技能実習生にも同様です。原則として、在留資格の目的となる「活動」が技能実習の修了や学校の卒業によって終了した場合においては、在留カードに記載されている期間を超えて日本に滞在することができません。同じ在留資格で滞在を続けるのであれば、同じような学校や組織に所属しない限りは更新ができないことになります。
しかしながら、今回のコロナウィルスの影響により帰国が困難になった方、あるいは、所属先の倒産などにより技能実習の継続が困難になった方については、そのまま不法滞在者として取り扱うのは人道的な観点からも望ましくない状況が続いています。
このような状況に鑑み法務省では、このような方々に対して「特定活動」というカテゴリの在留資格を利用し、その活動内容を細かく指定することによって、日本での在留を法的根拠のあるような措置を設けました。
このブロックでは、コロナウィルスの影響による特例措置についてご説明いたしいます。

在留期限が延長される在留資格

まず、在留期限を延長する資格についてご案内いたします。基本的な手続きとして、活動内容に変更がない場合は、「在留期間更新手続」が、活動内容が当初の在留資格と異なる場合は、「在留資格変更手続」が必要となります。

在留資格が「留学」の場合

引き続き教育機関で教育を受ける場合については、在留期間更新許可を受けることによって引き続き留学生として活動をすることができます。この場合、もともとの教育機関とは別のところであっても期間の更新を受けることができるとされています。また、日本語教育を受ける目的での留学の場合、原則として2年間の在留が認められますが、「在留期間更新」手続きを経ることによってこれを延長ができることになります。
この場合であっても、包括的な「資格外活動許可」を得ることによって1週につき28時間以内のアルバイトをすることが認められています。
【本文に掲載する参考リンク】http://www.moj.go.jp/content/001318472.pdf

資格外活動許可が不要な在留資格

在留資格が「留学」の場合

②他方、「留学」の在留資格者が、卒業後において教育を受ける活動を行わない場合は、「特定活動(6ヶ月)」への「在留資格の変更手続」を踏まえることによって、就労ができることになります。この場合は、資格外活動許可の申請がなくても、1週につき28時間のアルバイトが認められることとなります。
もし、この後「正社員」としての就職を希望される場合は、一般的には「技人国」の在留資格に変更したうえで就労することができます。これは、コロナにかかわらず一般的な手続きとしてのものであります。

在留資格が「技能実習」の場合

この場合は、技能実習の進行状況によってケースが分かれます。
まず、所属先を解雇され技能実習の継続が困難となった「技能実習生」の場合は、「特定活動(就労可)」という資格において、最長1年間の許可が下りることもあります。
そのほか、技能実習を修了した場合であって、帰国が困難な場合においては、「特定活動(6ヶ月・就労可)」または、「特定活動(6ヶ月・就労不可)」への在留資格変更が可能となります。この時、「就労」を希望される場合は、当初技能実習において認められた業務と同一のものに限って就労が認められます。
また、技能実習の修了時において、検定試験の受験ができない方については「特定活動(4ヶ月・就労可)」を付与し、検定試験の受験準備を日本で行うことが可能になったり、他方、特定技能1号に移行を希望しながらも、移行準備が整っていない方については、特定技能への移行期間までは同じく「特定活動(4ヶ月・就労可)」が付与されることになっています。

「特定活動」という在留資格とは

ごらんの通り、コロナウィルスによる現在の状況を鑑み、「特定活動」と記された在留資格がいう言葉が頻繁に出てきました。本来であれば「特定活動」という在留資格は、出入国管理法の根拠に基づき、法務大臣が日本での活動を認めるにふさわしいものを、類型化した資格です。
さらには、世界規模のパンデミックの中、国の政策として、法律では定めきれなかった在留資格の類型を「特定活動」という在留資格を利用する形で救済をしようといるのが現在の状況です。もちろん、その中には日本での就労にも適した人材もたくさんいらっしゃいます。したがって、出入国管理局では、「特定活動」という在留資格の中で「就労可・就労不可」をさらに判断して分けているということができます。
したがって、「特定活動」という在留資格の場合には、必ず在留カードを確認し、「就労可」となっていることを確認したうえで、さらに、具体的な活動内容の確認が必要となる場合について記載されている「指定書」が、別に交付されますので、こちらも確認すれば間違いがないでしょう。
【本文に掲載する参考リンク】http://www.moj.go.jp/isa/content/930006295.pdf