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ビルクリーニング業界の特定技能とは?取得要件や採用方法もわかりやすく解説

人手不足により、外国人技能実習生をビルクリーニング職として受け入れている企業も多いでしょう。
しかし、特定技能の在留資格が改正されたことで、制度をどのように活用していったらいいのか、と迷っている企業責任者の方もいらっしゃるかもしれません。

ビルクリーニング業界は技能実習生の導入から日が浅く、特定技能に移行できる人材は限られております。そのため特定技能の採用にあたっては、新規に人材を国内外から確保する必要があります。
「まず特定技能よりも給与水準の低い技能実習生の採用から始めよう」と考える企業が多いですが、技能実習生は採用人数制限の関係で多くは採用できません。
多くの外国人を採用したい場合は、時間単位で採用できる外国人アルバイトを採用しながらその中で適性の高い人材を特定技能に転向させるという方法がおすすめです。


今回はこのような人事担当者の方々へ、ビルクリーニング業の特定技能についての詳細や、外国人ができる業務内容や特定技能の取得要件、採用方法などを解説していきます。

ビルクリーニングの特定技能とは?

百貨店や学校など、建築物衛生法が適用となる特定建築物が年々増えてきました。 それにより、ビルクリーニング業における有効求人倍率も年々高くなっています。

ビル・建物清掃員の有効求人倍率の推移
参照:「ビルクリーニング分野について」|厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/content/11157000/000505128.pdf
平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度
1.60 1.94 2.24 2.64 2.95

また、いままでは清掃業の従業員の多くを女性や高齢者が占めていました。
しかし他分野での人手不足もあり、女性や高齢者が他分野で就労するケースも多くなってきているという時代背景もあります。

それでも建築物の衛生管理を維持するためには、人手不足を解消する必要があることから、2016年に外国人実習生の受入れが可能となりました。
2019年には法改正により、ビルクリーニング業においても即戦力となる特定技能外国人を、積極的に国で受け入れていくことになりました。
その在留資格が、「特定技能」と呼ばれる就労ビザです。

いままでの人手不足状況に鑑み、日本政府はビルクリーニング業において受け入れる特定外国人の人数を、2019年からの5年間で最大でも37,000人と想定しています。

しかしながら、特殊なスキルが必要とされない職種でもあり、業務ごとの単価も低い傾向にあるため、労働者の人件費に多くを回せない日本企業が多いようです。
また、正社員雇用の比率が低い業界でもあり、海外から特定技能人材を正社員として迎えることに抵抗を感じる企業も多くでしょう。
国内の特定技能「ビルクリーニング」をもつ外国人の受入れは、まだ大きく進んでいない状況です。

ビルクリーニング業の特定技能外国人ができる仕事内容

ビルクリーニング業の特定技能外国人を受け入れようとしている企業は、徐々に増えつつあります。
現状を改善するためにも、不安を抱えている企業にとっては、制度について詳細を把握しておくことが大切でしょう。

それでは、ビルクリーニング業として外国人を雇う場合に、企業側で心得ておくべき内容(業種・可能な業務内容・雇用形態・報酬)について解説していきます。

業種

ビルクリーニングの分野で特定技能外国人を雇用したい場合、受入れ機関となる企業は「建築物清掃業(1号)」、または「建築物環境衛生総合管理業(8号)」に登録する必要があります。

業務内容

特定技能外国人ができる仕事は、建築物内部の清掃です。 具体的には、企業ビルやホテルといった多くの人々が集う特定建築物の、玄関・廊下・階段・トイレ・エレベーター・エスカレーターなどの清掃です。
また清掃作業上、必要に応じたベッドメイキング作業についても認められています。 特定技能外国人ができない業務は以下のものです。

  1. ビル設備管理作業
  2. 施設警備作業
  3. ハウスクリーニング作業
  4. 受付業務作業
  5. 関連作業および周辺作業のみの場合

雇用形態

ビルクリーニング業で特定技能外国人を雇用する場合は、直接雇用のみが認められています。
派遣雇用はできませんので注意しましょう。

報酬

特定技能外国人の報酬は、同じ作業を行う日本人と同程度以上にすることが規定されています。
また、給料の支払いについては、必ず銀行振込で行ってください。
こちらは2019年4月より義務化されています。

ビルクリーニング業の特定技能の取得要件

ビルクリーニング業において、外国人が特定技能という就労ビザを取得するためには、下記の①②の両方に合格する、もしくは例外として「ビルクリーニング職種、ビルクリーニング作業」の「第2号技能実習」を修了(3年)することが必須です。

後者の場合は、必要な技術水準および日本語能力についても十分もっているものとして、①・②が免除されます。
出入国在留管理庁の資料をみると、ほとんどの外国人は第2号技能実習ルートでビルクリーニングの特定技能を取得しているようです。

①ビルクリーニング業技能測定試験に合格している

こちらは、公益社団法人全国ビルメンテナンス協会が運営している試験です。
清掃の対象となる場所や部位、建材、汚れの違いを把握し、作業手順を守り自分で状況判断しながら作業をこなせるレベルかどうかをみられます。
在留資格(短期滞在も可)をもち、試験日に17歳以上となっている外国人であれば、誰でも受験することが可能です。

試験は日本語による実技試験であり、判断試験と作業試験の2つから構成されています。
判断試験・作業試験ともにそれぞれで60%以上を取ると合格です。
2021年4月~5月にかけて行われた国内試験での合格率は73.9%でした。

試験の開催は年数回で、国内では全国8ヶ所、海外ではミャンマーやフィリピンで開催されています。

申請に関する詳細は、こちらです。
ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験|公益社団法人全国ビルメンテナンス協会
https://www.j-bma.or.jp/qualification-training/zairyu https://www.j-bma.or.jp/wp-content/uploads/2021/02/%E7%AC%AC4%E5%9B%9E%E5%9B%BD%E5%86%85%E8%A9%A6%E9%A8%93%E5%8F%97%E9%A8%93%E6%A1%88%E5%86%85.pdf

②「日本語能力試験(JLPT)N4以上」または「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)に合格している

・日本語能力試験(JLPT)
独立行政法人国際交流基金(JFT Basic)と、公益財団法人日本国際教育支援協会(JEES)が運営する日本語試験です。
特定技能でもさまざまな職種で必要とされる試験であり、日本国内、海外での受験ができます。

認定目安はN1(幅広い場面で使われる日本を理解できる)~N5(基本的な日本語をある程度理解できる)の5段階あり、一番やさしいのはN5レベルです。
ビルクリーニング業ではN4以上のレベルが求められます。

申し込みページはこちらです。
日本語能力試験(JLRP)国内受験用:https://info.jees-jlpt.jp/

・国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)
独立行政法人国際交流基金(JFT Basic)が運営する、日本語能力試験です。
受験資格は、基本的に母語が日本語ではない外国人となっていますが、国ごとに受験資格が異なります。
詳細はプロメトリック予約ウェブサイトをご覧ください。

試験内容は、「文字と語彙」「会話と表現」「聴解」「読解」の4項目から構成され、約60問/60分間です。
認定目安はA1・A2(基礎段階の言語使用者)、B1・B2(自立した言語使用者)、C1・C2(熟達した言語使用者)という6段階です。
一番やさしいのはA1レベルであり、就労の際に必要なレベルとしては「A2以上」といわれています。

試験形態は、会場のコンピューターを使って出題・解答するCBT方式です。
設問は英語やその他の現地語で読めます。

試験の実施と日程は、通常年に1~3回(6月・7月・8月)です。
国内ではほとんどの都道府県で受験できるうえ、海外ではカンボジア・インドネシア・モンゴル・ミャンマー・ネパール・フィリピン・タイの7ヶ国で受験ができます。
試験会場によってはスケジュールが異なりますので注意しましょう。

申し込みページはこちらです。
国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic):http://ac.prometric-jp.com/testlist/jfe/index.html

ビルクリーニング業の特定技能外国人を雇用するためには?

特定技能の就労ビザを取得した外国人を雇う場合、企業側でも以下の2つの条件を満たす必要があります。

①ビルクリーニング分野特定技能協議会へ加入する

ビルクリーニング分野特定技能協議会とは、特定技能外国人の受入れや雇用維持を円滑に行っていくために設置された機関です。

そして、特定技能外国人を雇用したビルクリーニング企業は、4ヶ月以内に「ビルクリーニング分野特定技能協議会」への加入が義務化されています。
企業は、協議会側が調査や指導を求めた際に、必要な協力を行う義務を負います。

厚生労働省の以下のページよりアクセスして、必要事項を入力し送信するか、書面で加入申請を行いましょう。
なお加入にあたり、費用はかかりません。

詳細と申請ページはこちらです。

ビルクリーニング分野特定技能協議会加入申請ページ|厚生労働省:
https://www.mhlw.go.jp/form/pub/mhlw01/buildingcleaning_shinsei

②定められた支援を実施する

ビルクリーニング業を営む企業で1号特定技能外国人を雇用する場合、彼らの就労環境のみならず、日常生活や社会生活におけるさまざまな支援を行う必要があります。

参照:「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」|法務省
http://www.moj.go.jp/content/001309875.pdf
行うべき支援内容は、以下の10項目です。

  1. 事前ガイダンスの提供
  2. 出入国する際の送迎
  3. 適切な住居の確保に係る支援、生活に必要な契約に係る支援
  4. 生活オリエンテーションの実施
  5. 公的手続等への同行
  6. 日本語学習の機会の提供
  7. 相談または苦情への対応
  8. 日本人との交流促進に係る支援
  9. 非自発的離職時の転職支援
  10. 定期的な面談の実施、行政機関への通報

これら支援の実施については、「登録支援機関」に委託するという手もあります。
登録支援機関とは、企業の代わりに支援計画を作成・支援活動を行う機関です。
登録支援機関に支援を委託するかたちでも免除となります。

登録支援機関は、収入国在留管理庁のホームページの登録支援機関登録簿に掲載されていて、随時更新されています。
対応可能言語や所在地、委託費用などを基準として、委託したい登録支援機関を探しましょう。

ビルクリーニング業の特定技能外国人を採用する方法

ここまで、特定技能についての詳細について解説してきました。
つぎでは、特定外国人を採用する方法についてご紹介しましょう。
派遣雇用ができないビルクリーニング業での募集方法は、以下の3とおりです。

①求人媒体からの採用

インターネット求人サイトや求人雑誌などの求人媒体を利用する場合、広告費として大きく予算を割くことなく、就労資格をもつ外国人を採用できます。
また、はじめはアルバイトというかたちでの採用も可能です。

そこで、求人媒体のなかのひとつである外国人求人サイト「WORK JAPAN」がおすすめです。
WORK JAPANでは特定技能に転向できる在留資格の保有者や、すでにビルクリーニング業技能測定試験や日本語能力試験に合格している人も登録しています。
手間とコストをかけず、短期間での採用となる可能性もあるでしょう。

②外国人材紹介会社からの紹介

人材紹介会社のなかには外国人に特化したところもあり、ビルクリーニング業に限定して人材紹介を依頼することも可能です。
紹介料が発生するためコストは高くなりますが、ビルクリーニング業の特定技能の外国人採用をしっかりとサポートしてくれるというメリットがあります。

③留学生アルバイトが特定技能を取得した場合、正社員としてそのまま雇用

アルバイトとして採用した外国人留学生の在留資格が切れてしまったけれども、とてもいい人材のため雇用を延長したいというケースも多いでしょう。
このような場合は、本人が特定技能を取得することで、在留資格を特定技能へ転向するという方法もあります。

特定技能に転向する際は、出入国在留管理庁へ「在留資格変更許可」を申請します。
なお、就労希望の本人がきちんと納税していなければ申請できません。
申請時には、在留資格変更許可申請書のほかに、写真1枚(縦4cm×横3cm)、パスポートと在留カードの提示、上記でご紹介した各テストの合格証明書の写しなどを提出しましょう。

まとめ

人手不足が年々拡大していく国内のビルクリーニング業ですが、女性や高齢者の社会進出がしやすい時代となったという捉え方もできます。
またビルクリーニング業界の勤務体系をあらためて考えてみると、オフィス就業時間前後の朝のみ・夜のみなど、偏重したシフトが多いこともあり、もともと正社員雇用の比率が低い業界であるといえるでしょう。
こういった理由からも、海外から特定技能人材を正社員として迎えることに、抵抗を感じる企業も多いのが現実です。

今後のビルクリーニング業界の発展を考える際、国内事情も含めると、特定技能をもつ外国人の採用は即戦力として効果的だといえます。
外国人求人サイト「WORK JAPAN」で特定技能外国人を募集する場合は、特定技能として採用する以外に、アルバイトでの採用もできるのがメリットです。
アルバイト・正社員(特定技能)をハイブリッドで採用できますので、長期的な人手不足の解消に役立つでしょう。

また、外国人求人サイト「WORK JAPAN」は、2020年10月より厚生労働省「ビルクリーニング分野における、外国人材受入れ体制適正化調査に係る情報収集・分析等検討会」の有識者メンバーとなっています。
外国人材の受入れが急務とされている国内のビルクリーニング分野において、数多くの採用サポートをしてきている豊富な経験があることからも、企業側にとってWORK JAPANは頼りになる存在だといえるでしょう。